はちみつは、美味しく健康に優れた食品として、古くから人々に親しまれてきています。また、ミツバチは、花木の蜜を得る営みの中で、植物の受粉を媒介する役割を果たしており、養蜂は自然界と人間社会の共生の営みでもあります。近年、都市化と農山村の変化などに伴って、ミツバチの生態にも大きな変化が起きてきていると考えられ、日本の養蜂産業も大きな曲がり角に直面しています。はちみつの自給率は、45年前の57%から、2年前には6%に激減しています。国内のはちみつ生産を再生させることは、安全な食品の確保と国民の健康の維持増進、自然を守り、農山村の産業を守っていく「地域づくり・国づくり」につながるものと考 えます。このような中で、埼玉県立秩父農工科学高校食品化学科の地域特産品づくり推進事業のなかで、秩父地域の森林からえられた「カエデ樹液」にミツバチが群がることが見出され、埼玉大学に技術相談がありました。関係者の共同研究の結果、「カエデ樹液を蜜源としたはちみつ」が完成し、特許出願しました。この研究を契機に、日本の森林を守り育成するとともに、花蜜の少ない季節にもカエデ樹液によって養蜂事業を展開できる研究を推進し、広く普及するために設立します。そうした課題の研究をとおして、生物と自然の営みへの理解を深め、教育と健全な社会の発展に寄与することを目指して、以下の活動を進めていきます。
1. "第3のはちみつ" の研究、開発、実用化企画推進
2. 関連情報の調査と関係者の連携強化
3. 社会的啓蒙と普及活動(本会の趣旨に賛同する多数の方々の加入をお願いします。)なお、"第3のはちみつ"の呼称は、日本業界のはちみつの規定が「はちみつ」と「(その他の)はちみつ」に分類されています。しかし、はちみつの国際規格は「はちみつ(Honey 植物の花蜜に由来するもの)」と「甘露はちみつ(Honey dew honey 植物の汁液などに由来するもの)に分類しています。"第 3 のはちみつ" はカエデの樹液(メープルシロップ)や果汁などの自然由来の糖を蜜源としながら、健康や医薬に有益なはちみつを積極的につくりだすための新しい試みです。今後の研究によって"第3のはちみつ" の呼称と定義も明確にしていきたいと考えています。